イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)の研究パートナーと協力し、修士課程の学生であるAnsh Chaube氏は、日本の二酸化炭素削減目標を認識した上で、将来の水素システムの複数のセクターと最終用途を考慮したレビュー論文を執筆しました。九州大学のI2CNER、長崎大学の環境科学総合研究科、そしてUIUCの原子力・プラズマ・放射線工学 (NPRE)部門との共同研究は、Energies誌に掲載された「The Role of Hydrogen in Achieving Long Term Japanese Energy System Goals」というレビューに結実しました。 

概要:本研究では、将来の水素経済に特化した日本のエネルギーシステムモデリングに関する文献を定性的にレビューし、定量的なモデル結果を活用して、日本における水素の将来的な展開の可能性を明らかにすることを目的とする。分析では、貯蔵、ガスグリッドの補完、発電、輸送の4つの主要セクターに焦点を当て、2050年以降の日本のエネルギー市場に浸透すると予想される水素技術の潜在的な範囲を詳述する。また、モデルの結果に加えて、日本の潜在的な水素経済の未来を支える適切な政策設定、ガバナンス、市場メカニズムについても言及。野心的な導入目標、技術や研究開発への投資、将来のカーボンプライシング制度を奨励する政策により、輸送、ガスグリッドの補完、貯蔵の各エンドユースが大量に出現する可能性があることがわかった。一方で、初期段階では輸入水素に依存する日本において、特に発電分野での幅広い水素利用を実現するためには、輸入コストが重要になる。さらに、日本の人口動態を考慮し、高齢化と人口減少、人々のエネルギー使用の傾向を認識することは、水素経済へのスムーズな移行を実現する上で重要であると思われる。

DOI: 10.3390/en13174539

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